「ユリイカ12月臨時増刊号 総特集初音ミク」座談会の徒然

その1

日にちが変わって別になるのもナンなので一日にまとめました。死ぬほど読みにくいと思います。なので別に読まなくていいです。


なんか今週は妙に忙しく、大体毎日朝から晩まで予定が入っているような感じでした。なぜだろう。普段は週に一回バイトがあるだけの引きこもりなんだけどね!
きれい好きの僕の机の上がそろそろ本に占拠されてきて非常に不便しております。床にもビニール袋やら服やらが散らばってて、こんなに雑然とした自分の部屋は久々に見た気がします。
今日は部屋の整理をする予定でしたが、連日の睡眠不足から昼過ぎまで倒れて、起きてすぐ出かけて今帰ってきたところです。師走って怖い。


さてさて、そんな中、ユリイカ初音ミク特集をするということでとりあえず買って参りました。
前にも言った通り、初音ミクの曲とか好きじゃないんですけど、まぁ色々と都合があって読まざるをえないので。
せっかくなのでその感想でも書ここうかなと。この本を買った日が丁度友人から初音ミクのフィギュアをもらった日でしたし、まぁそんな縁があるんだろうからと*1
まだぱっと全体を眺めた程度で、座談会ぐらいしか読んでないんですが、色々と思うところがあったり、気になるところもあったので、差し障りのない範囲で徒然と書こうと思います。


まず初音ミクを知らない人はいないと思うけど、復習をかねてこの動画でも。

初音ミクのバカっぽさ、電波、ネギ、機械としての歌唱などなど初音ミクを取り巻くキャラ性が一つにまとめられた良動画です。座談会で登場する「なぜ歌った」といった話にもつながるので。
という冗談はさておき、この動画一万再生いってなかったんですね。Ver1の方は一万五千いってますが。
まぁそれが言いたかっただけ。
おまけ
サーカス・ギャロップに憧れて音楽知識の無い俺が作ってみた10/5
そうそう、当然のようにニコ動リンク張るから、ニコ動のアカウントもってないと見れないからね!


そんなわけで感想。箇条書きで。
とりあえず、本の装丁が同人誌っぽい。女性作家の同人誌に多い、表紙全体にうっすらラメが入ってたりね。多分意識してる。
一見したところ、制作者の話として佐々木氏のインタビュー、同人音楽との関連を語る富田氏*2初音ミクの「声」について語る増田氏、ちょっと中身はどうか分からないけど僕が注目してる「P」について語った円堂氏、単純な興味から平沢氏、ネットワーク分析が新鮮な濱崎・武田両氏、「ソワカちゃん」という例外性からボーカロイド現象を照射しようとする伊藤氏に興味を引かれたかな。
そして最後のボーカロイドヒットパレードにおいて「初音ミクマスター・OSTER project」の文字を見て泣いた。


んで座談会について、ツッコミを入れつつ、最後にそのツッコミを僕なりにまとめるよ!


最初の方は大してどうでもいい。濱野氏とテクノウチ氏が二人で盛り上がってる。
簡単な同人音楽の流れ。
同人音楽に「歌姫文化」が既にあって、東方ブームで同人創作家が流れ込んでくる。*3
「えーりん」をはじめとするネタ的MAD動画はフラッシュや(座談会では明言されてないけど)BMSAの流れからニコニコ動画へ。*4
東方と初音ミクの共通点は「豊富な設定をもっていなかったということ」と濱野氏*5
テクノウチ氏のCD全曲無料配信の話はケータイ小説を思い出した。アレも全部ネットで見れるのに出版は盛況(業界にどれほど寄与してるかは知らないけど)だよね。
いまやCDはコミュニケーションの証として扱われる。*6
ライブイベントでのネタの共有と盛り上がりの話。


「東方の浮沈とプロの仕業」
MIDIが出てー耳コピやってーJASRACで沈静化してーって話。*7
ナードコアとJ-COREとニコ動の仮想ダンスフロア化の話。ふーんって感じ。*8
Cradleてそんな経緯で作られたの?だったらオレはそれを聞いて東方を見限ったから、彼らの思惑通りだね。多分捉え方は真逆だろうけど。*9


その2

ねぇ、さきのエントリあげてから思ったんだけど、このブログ文字ちっさくね?。
以前でかすぎね?って書いておきながらナンだけど。
設定は特に何もいじってないんだけどね。火狐に移行したからかな。以前はsleipnir、挙動がうざくなったから馬は見限って狐に来たの。
IEエンジンだと普通の大きさ、僕が意図した文字の大きさです。火狐だと何でこんなに小さくなるんだろ、他のサイトはどっちでも変わらないのに。
テンプレ導入の際に色々いじったからなぁ。よく分からん。
とりあえず火狐使ってる人は文字ちっさくて読みにくいと思うんで、ctrlキー押しながらマウスのホイールぐりぐりして、ズームするなりなんなりしてください。不便掛けて申し訳ない。

ここに来る人の半分が火狐という事実に驚いて、頑張って大きくしました。ほんとはもっと大きい方が好きなんだけど、こう文字数が多いと画面全体に迫る感じがするので気持ち小さめに。なんか気になるところがあればコメントか右のメルフォにて言ってね。


気を取り直して座談会の徒然続き。


「音・声・キャラクター」以降、濱野氏とテクノウチ氏だけでなく伊藤氏、谷口氏が会話に参加し「初音ミク」について語り出す
ここから頓に座談会全体が活気づいて面白くなる。


図像担当として呼ばれた伊藤氏による、キャラを考える上では重要性をもっていた図像が、初音ミクにおいては図像のない声と固有名だけでキャラが成り立つことについて提起
それに対して谷口氏の初音ミクブームは結局人の似姿による図像があって成り立っている保守的なものだという指摘。要するにブームの起こり方は大して珍しいものじゃない。*10
それよりも谷口氏の興味は「声」へのアプローチが変化したことにある。既存キャラの声をサンプリングしてボーカロイド的に使う「人力ボーカロイド」の例を挙げ、初音ミクを架空のキャラとして作り上げていく流れに、既存のキャラの既存の声を使う人力ボーカロイドが巻き込まれていく。初音ミク自身を越えられない*11初音ミクに対して、自由な広がりを持つ人力ボーカロイドに未来を感じる*12
(補足:人力ボーカロイドってのは僕もそんなに詳しく知らないけど、最近見たのではこんな物とか。

制作ツールも存在する。
人力ボーカロイド支援ツールらしきものを作ってみた その1 導入編
ニコニコ動画では「歌ってみた」における「歌う」ことも図像の力でキャラに還元される。「P」においてもキャラ化がなされると濱野氏。*13
谷口氏は人工の歌声と人間の歌声との境界が浮き上がって来つつあることに興味を持つ。歌うことを想定していない音系MAD作品を無理矢理人力で歌ってしまう「何故歌ったシリーズ」に注目する。
(補足:「歌ってみた」関係は全く見てないので知らないのですが、とりあえず「何故歌ったシリーズ」タグで再生数の多いやつの中から、谷口氏の言う「人間が力づくで歌っている」感じのよく分かるもの、且つ元動画が生きてるものを貼っときます。単にキワミが好きなだけとも言う。

元動画:ビックブリッヂのキワミ


そしてここから、当日は高熱を出していてしんどかった東氏がやっと会話に参入。イエーイ。ここから先ほどとは違う意味で面白くなります。
東氏にとって初音ミクの消費のされ方はデータベース消費であり、それ以上は分からないと。
谷口氏が初音ミクのブームが「音」でなく「声」によって巻き起こったのならば、なぜ「声」でなくてはならないのかを伊藤氏に投げかける。
それをなぜか東氏がキャッチ!初音ミクは「声」じゃなくて、イラストとニコニコ動画があったから流行ったんだよと。*14
東氏はそれよりもニコニコ動画では「声」がキャラ化して消費されていると指摘。*15
その後のテクノウチ氏と濱野氏の発言はまぁどうでもいいや。


その3

「盆踊りノリから新たな音楽は生まれるか」東氏の本領発揮
とりあえず同人音楽が盛り上がってるのは分かったから、それがこれからどうなるのと東氏による問いかけ。
それにテクノウチ氏がDJスタイルの変化について語る。ジャンルDJは生き残れなくなりキャラ化の道を辿ると。
なぜなら、客層の変化により、クラブノリではなくて泣きたい歌いたいという欲求に合わせたプレイになり、強化されていく。クラブのライブ化だと。*16
クラブシーンがオタクによって盆踊り化したのは分かったし、変化に対応するのはどこでもやってること。東方のおかげで人に聞いてもらえるという状況がかつての日活ロマンポルノや美少女ゲームと同じなら、同人音楽界から黒沢清元長柾木のような才能が登場するってことを示してよと、それがなければ単に同人音楽盛り上がってるだけで終わるよと東氏。*17
(補足:テクノウチ氏の言う日活ロマンポルノと美少女ゲームと東方の類似点についてはこちらを参照
自分語り108 日活ロマンポルノと美少女ゲームと東方アレンジ
それをテクノウチ氏はJ-COREに見いだす。日本産クラブミュージックを突き詰めて、自らの個性を一ジャンルとして活きたい。しかしそれは一部的でシーン全体には影響しないだろうとも。*18
J-COREって消費者が新しいんであって、音は新しくないんだね。その消費者=ニコ動に担保してるんだったらやっぱり未来無いじゃん。と東氏。*19
ニコ動のネタ消費に頼っている部分を解消してオリジナル路線に移行することが今の課題ですねとテクノウチ氏。その方法はかつてのクラブミュージックの良さと今あるアニソンのおもしろさを伝えていくこと。*20
アニメソングの新しさや面白さを音に即して語れないのか?と東氏*21
状況は打開しないけど、過去のリソースを利用するのに初音ミクは新しい消費を提示したね、と谷口氏。それはまた初音ミクの保守性を表すけど。*22


ここで東氏の「同人音楽は巨大な焼畑農業」発言キターーーーーーーーーーーー!!!*23


同人音楽は今後過去のリソース利用するんでしょ?と伊藤氏、そしてそれに何故か同意するテクノウチ氏。*24
そしてやっぱ焼畑農業じゃん!と喜ぶ東氏。
もっと音楽の変化よりも環境の変化を、イベントのニコ動的なネタ消費をもっと盛り上げればいいじゃないと濱野氏。*25


その4

「人は何故声に萌えるのか」
伊藤氏が「萌え」について語っていないので語ろうと呼びかけ。
やはり「声」にこだわる谷口氏、なぜ萌える対象が「声」なのか分からない。「音」じゃなくて「声」なのは保守的じゃないのかと。
音楽の変化を考えるのであれば、歌のフォームが変わる契機を探さなくては。人力ボーカロイドはその契機となりうるのではと。*26
「ミクツバウ」のsansuiPへの言及キター!
(補足:sansuiPによる「ミクツバウ」シリーズはいくつかあるんだけどとりあえず最初のやつを

シリーズがすすむごとに洗練されていくから面白い。
気に入った人はsansuiPのマイリストをどうぞ。
聞くのにエネルギーが必要なやつが多くて、まだ全部聞いた訳じゃないけどストロベリーショートケーキとかそのポップさに感動したよ。
ノイズとかキモいよ!って人はsansuiPじゃないけど、テクノウチ氏が推薦してたミクトロニカの傑作でも
ミクの
とりあえず、こんなミクの使い方もあるんだなぁ程度に。ミクトロニカ関連はいわゆる初音ミク消費の極北だろうから。)
けれども特定の「声」のあり方を前提とすることには違和感を感じると谷口氏。架空の存在感を表す擬音は既にあったはずで、それを「声」の脈絡で語ってもおかしくなかったのに、人の似姿に準じるものが発する音しか「声」として捉えられてこなかったのは、大きな欠落であると。


「実験か生活か」同人音楽作家の驚きの実態が明らかに
伊藤氏の「護法少女ソワカちゃん」にある、ボーカロイドの薄っぺらさによって、人の似姿から離れ、身体性を希薄にし、初音ミクにしかできないことをやらせようという楽曲姿勢を提示。つまり初音ミクのキャラから離れた、楽器としてのシンセサイザー的使用法。
(補足:ソワカちゃんを僕はここで初めて知ったので、特にコメントもなく、動画を貼るだけで。ごめんなさい許して。

そんでソワカちゃんのマイリス
ソワカちゃんは知らなかったけど、初音ミクにしかできない音楽を、という姿勢は以前から知ってて、初音ミクをあくまで楽器であると使うanimebrass氏による初音ミクでピアノフェーズ鳴らしたやつとか
初音ミクでミニマル ”Hatsune Phase” for 2 Vocaloids
当時はすごく驚いたけど、ミクトロニカに出会った後では感動が薄れてしまうのが残念。でもanimebrass氏の音楽に対する考え方、構え方は今でも尊敬してる)
そこにテクノウチ氏が、実験的な動画やっても興味もたれないからやらない。なぜなら生活がかかってるから。*27
東氏の同人音楽作家がマーケティングを意識しているのが奇妙だと、だったら商業でやれよと。*28
なぜ同人音楽で儲けを意識するのかというと、音楽で食っていきたいとなっても、メジャーシーンは需要の変化に対応できていない、だから同人で需要に合わせた曲作りして食っていこうとする人が出てくるからだとテクノウチ氏。*29
そこでやっぱり東氏がだからそこから未来はないのか、あるはずだろうと。J-COREが新しいのなら具体的にどの部分だ、普遍的に表現して欲しいと。
しかしテクノウチ氏はうまく表現できず。*30


その5

「映像・音楽・言葉のアマルガム
美少女ゲームによって起こった萌え要素の爆発的増加が、2ちゃんねるやブログのようなインターネットメディアよって強力ないくつかの萌え要素に収斂していった現象の、音楽版が初音ミクで起こっているのではないかと編集部。初音ミクシンセサイザーとしての貧しさがキャラの原型を作り上げたのではないのか。*31
音楽から離れて、ニコニコ動画というキメラ的な表現形式にポイントがあると伊藤氏。「ソワカちゃん」での例。*32ウサテイ」の複雑な形式の表現が今後出てくるだろう。今はまだ表現の形式が定まっていないけど、今後定まったときには爆発的に成長するだろうと。そしてそれはニコ動で定まるのではないかと。
(補足:とりあえずウサテイ貼っときます

確かにこれを初めて見たときはその複雑な構成に、言葉に出来ない不思議な感覚に襲われた。ビートまりお氏の自由すぎる曲構成が一端を担っているのかも知れない)


「未来(ミク)の天才を待ちながら」
そろそろまとめに入りたい編集さんから*33初音ミクを取り巻く要素はあまりに広く複雑で、その一つについて語れば他を取り逃がすことの繰り返しになる、そういった逃げ水を追うことが初音ミクを語ることなのかと。最後に初音ミクの可能性として声のコスプレによる、自分ではない声で歌うことを挙げる。
谷口氏は初音ミクブームはお人形遊びの現代的アレンジで、その先にあるのは自分がお人形になることだろうと。コスプレが自分の外見を変えたその次には自分の声をメディア上で操作対象にする流れが来てもいいはずだ。プリクラの音版はいかにして出現するのか。
テクノウチ氏はDEDEMOUSE氏を挙げ、その楽曲の、声をサンプリングして複雑に使う技術が手軽になれば歌全体が変わると期待。*34
(補足:DEDEMOUSEについて名前は良く聞くけど楽曲は全然聴いたことなくて、多分この曲のことを言ってるんだと思う

あってる?全くどうでもいいけどこれの初音ミクが音頭踊ってるやつは胸がどきどきした。そういやMikuMikuDanceについては座談会で全く言及無かったなぁ。これこそまさにお人形遊びじゃない。
少し関係無いかも知れないけど、Melodyneを(たぶん)使用した例として、「ゆっくりしていってね!!!」のキャラの声として使われるテキスト読み上げツールSoftalkを無理矢理歌わせたもの。

超癒される。好きなんすよこの声。)
初音ミクを歌わせるのに言葉で歌わせなきゃいけないところに抵抗を感じる谷口氏。「何故歌ったシリーズ」の良さは言葉を解体した音系MADをいかに「歌う」かに挑戦しているところにある。キャラ性とか人格の大半を担っているのは言語を操る存在であるということであるが*35、音としての言葉は本来意味とは関係なく、言葉から離れた音の響きが面白い。声に対する感覚の変化が起これば、実験作品に日の当たる時が来るかもしれないと。*36
テクノウチ氏がimoutoid氏の声の使い方の異様さを例に挙げる。この方向性に音楽の進化があると。
(補足:座談会で挙げられてたimoutoid氏の「あたまがよくなるやきそばのうた」

テクノウチ氏の想定している「とにかくひたすらさまざまな声のサンプルを切り刻んで再構成して歌っているようにしている」というのはたぶんこんな曲のことだと思う
D.C.ダ・カーポ 懐かしい夢(PART1)
D.C.ダ・カーポ 第2ボタンの誓い,あさきゆめみし君と(PART2,PART3)
こんな感じでおk?)
それは例外的な才能ですねと東氏。*37
伊藤氏が結論として、初音ミクを取り巻く<場>から天才が現れることを期待しましょう。と言って終わり。*38


そんな感じで一旦終わり。ちょっと夜眠れないからと徒然書いたら朝の10時近くになっちゃったよ。なんと全文字数は約一万三千五百文字。卒論もそっちのけで何やってんの!?
次回は個人的な感想まとめ。その感想のちょっとした下書き入れたら一万五千八百越えた。
一旦寝て、起きて、出かけて、帰ってきてからになるから一日空くかも知れないけど。
そんなたいしたもんじゃないから期待なんてしないでね。


追記:まとめ書きましたー

*1:初音ミクの図像自体は好きなんですよ、嫌いなのはその一連の曲群にとりまくもの

*2:これはうれしくありがたい反面ちと困る

*3:「みんな同人創作の人々が流れ込んでいく」と濱野氏は言ってるけど「みんな」か?

*4:ニコニコ動画上の「N次創作」と呼んでいるような現象の源流は、九十年代後半、美少女ゲームや『ビートマニア』といったところにあった」と濱野氏は言うが、「N次創作」を詳しく知らないけど違和感

*5:また濱野氏につっこむ形になってしまうけど、東方の設定はかなり豊富な部類だろう、その設定が語られないからユーザーが想像する。設定のなさと言うより不確かさ

*6:これは昔から宮台真司とかがよく言ってる音楽のコミュニケーションツール化と同じ、じゃあ同人音楽はもはやJ-POPと同じなのか?昔自分もそう書いたけどね

*7:この辺は某研究会でオレが話したことと全く一緒、ちなみにテクノウチ氏はJASRACのネット個人サイト使用料発生を99年か00年といってるけど正確には2001年の七月からね。http://www.itmedia.co.jp/news/0012/22/jasrac.html「訴えるかもよー」って言いだしたのは確かに00年とかその頃だけど、沈静化に直接結びついたのは課金発生からじゃないかな

*8:テクノウチ氏は「クラブには行かないけど、クラブノリは味わいたいというオタクの人達に受けた」というけど、オタクってネタ的な動画を見てコメント書くときにその背後にクラブを想像してんの?極端な表現すれば「クラブには行かないけど俺たち今バーチャルにクラブ感覚だぜ!」とか思ってんの?あー分かってる分かってるよ、ネタ動画で行われてるコメント行為が、そのノリがクラブで行われているノリと一緒ってだけで、「クラブ」に固定してるって意図ではないんでしょう。ただ、ちょっと違和感感じたからつっこんだだけ

*9:個人的なことを言えばクソじゃんあんなCD。アレが同人音楽のトップとして発表された時点で、同人音楽は終わったと思った。制作陣は確かに超一級、だけど同人音楽にあんな物は求めていない。プロクオリティを詰め込んだだけのCDなんか同人音楽に求めてねーんだよクソが!だったらプロのCD聞いてるわボケ!ってわけ。「どーだスゲーだろ、これがお前達聞きたかったんだろ」なんて意識が制作者の思惑として想像されるような、あんな物が同人音楽の一線に立つ人達の理想として高い位置づけがされるような同人音楽に、そしてそれをスゲースゲー言って消費するような同人音楽に未来はないとオレは思った。そしてそれ以降実際に同人音楽はオレにとってつまらねー物になりはてた

*10:ちなみに座談会全体を通して僕の立場は谷口氏に近い、ただし谷口氏が専門とするDJ文化に僕は全く疎いけど。宣言までに

*11:声としても音色としてもキャラとしても

*12:この初音ミクの限界に意識的でない作品があまりに目に付くところがオレの初音ミク曲の特に嫌いな部分

*13:また濱野氏につっこんじゃうけど、初音ミクにおける「P」文化は一般的なキャラ消費の議論としてまとめてしまって欲しくない

*14:それでまとめちゃったらこの座談会意味ないよね、その程度ならそこらのはてなダイアリー辺りで議論され尽くしてるし、だいたいニコ動への流れもイラストによる図像も既に前半で話したじゃん。伊藤氏の図像無くてもキャラ成り立ってるよねって話から谷口氏の「声」について語ろうって流れになったんじゃないのかと。確かにこのブームは「声」によって駆動された、始まったわけではなく最初は東氏の言う図像とニコ動でブームが起こり始めたかも知れないけど、それだけではここまで注目する理由がわからない、ならばその理由は初音ミクの新しさである「声」にあるんじゃないかと谷口氏が提起した流れだったはず

*15:だから、それまでの消費のされ方である単なるキャラ消費ではここまでのブームは説明が付かないから「声」に新しさがあるのではとするはずなのに、逆にキャラ消費の話に戻してどうすんの。どうしてもデータベース消費につなげたいみたいに見える、というより東氏にとってはデータベース消費により初音ミクブームが起こった時点までしか見えておらず、その後を見ていない、見ようとしていないんじゃないかな。データベース消費でブームが起こったからそれで満足ってとこか。高熱でしんどかっただろうしねっ!なにしに座談会来たんだ、まぁそりゃ仕事でしょうけど

*16:あれ、さっきオタク達はニコ動でクラブノリを味わうって言ってたじゃん、なのにここではクラブノリが無くなってきてるって言ってるよ?あー分かってる分かってるよ、ライブ化したクラブノリがニコ動にあるのであって、それまでのクラブ文化のクラブノリが無くなってるってことでしょ

*17:その、単に盛り上がってるだけで終わると言う感覚はオレも持ってて、同人音楽で起こっていた東方ブームを見る限りにおいてはその先はないと感じていた。というのもその未来の可能性を感じさせる物を東方ブームの中には感じなかったから、Cradleを聞いて、それが売れたということにその可能性がつぶされることを見たオレは同人音楽を見限った。可能性が育たない理由には音楽ということの難しさもあったのかも知れない

*18:え、でもそれでいいんじゃね?黒沢清元長柾木もその強烈な個性をもった作品で今の評価を得たんじゃないの?映画のことよく分からないので黒沢清の影響は分からないけど、元長柾木田中ロミオの個性がエロゲー全体にどれだけ影響があるかなんて知れてるじゃん。まだエロゲーは東氏にとって現在進行形なので未来にキスをじゃなかった、未来になれば彼らによってどこまでの影響が起こるかわからないけど、多分ほとんどないんじゃね。だって結局今も昔も発売されてるエロゲーのほとんどは極端な言い方すればエロエロ〜か萌え萌え〜か全米が泣いた!ばっかりじゃん。逆に東氏はもっと影響を与えたであろう奈須きのこは無視してるっぽいね。確かにいわゆるエロゲー的ではないけど。けれど同人ゲーム業界に未来を見せたのは強烈な個性を発揮した奈須きのこによる「月姫」なんじゃないの?

*19:え、J-COREって音楽それ自体が日本独特で新しいから海外で注目されたんじゃないの?確かにJ-COREの特殊さには消費者が異質な市場を形成してるって点もあるだろうけど、テクノウチ氏はそのJ-COREに見られる日本独特の偏った音の使い方を突き詰めてより新しさを追求したいって言ってるじゃん。ちゃんとテクノウチ氏は新しい未来を提示してるよ。東氏はネタ消費としてしかニコ動や同人音楽をとらえていない、どうしてもデータベース消費につなげたいようだ

*20:って、それ昔に戻してんじゃん。J-COREの新しさを追求するためにオリジナル路線に行きたいんじゃないの?なのになんでわざわざ昔を掘り返して伝えなきゃならないの。「昔のクラブはなぁ、こんなにかっこよかったんじゃよ〜」とか言うじじいの懐古主義でも見せたいの?今時の情報化社会にもまれた若者はじじいの戯言なんて聞きたくないよ。もっとナウでクールでビビッドな音楽が聴きたいんじゃね?死語でいうセリフじゃないけど

*21:昔を掘り返すなんて言うからこんなツッコミが来る。多分テクノウチ氏がその発言で言いたかったことは単なる懐古主義じゃなくて、そこにあった新しさ、面白さを伝えて、その上でさらなる新しさや面白さをオリジナルのJ-COREに乗せて伝えたいってことなんだろうと思う、後の発言を見る限り自覚してないのかも知れないけど。それか単なるオレの読み違い

*22:つまり既存曲のカラオケを初音ミクに歌わせたような「初音ミクというキャラと言うか図像が歌っている」ことに集中したような消費のされ方を指しているんだと思う。けれどそれって初音ミクブームの初期であって、今はそんな消費ってあんまり無いよね。だからおかしいな、じゃその理由は「声」にあるんじゃね、そこに新しさがあるんじゃねってのが谷口さんの考えなんだろうな。違うかも知れないけど。ってこれさっきも書いたじゃねーか

*23:この発言読んで、同意した人は今すぐブラウザを閉じて二度と同人音楽を語ろうなどと思わないでください。まじで。ちなみにオレは閉じる側の人間です、けどこれが最初で最後だから見逃して

*24:もう何考えてんのか訳分からん。昔の良さを伝えて、その上で自分のオリジナルの新しさでガツンとやりたいってことなんだろうと好意的に解釈、けど東氏は全くそう受け取っていない、何せ高熱でしんどかったからね!あと、焼畑農業ってサイクルだから過去のリソースを利用するのはある意味では焼畑農業を体現してるね、何言ってんのか自分でも意味分からないけど

*25:またまた濱野氏で申し訳ないけど、この発言はないわーと思った

*26:これが先の同人音楽のこれからの新しさ議論に対する谷口氏なりの初音ミクブームをふまえた答えなんだろうか。何にせよオレもそこに新しさを感じている

*27:いやいや、同人活動に生活かかってる同人音楽作家なんてほとんどいないじゃね?そりゃ興味を持たれないからやらないってのも一部にはあるだろうけど、同人って数じゃないんだし、そういうニッチなことやった方が濃いコメントもらえてうれしかったりするもんじゃないの?知らないけど。そんな「オレは自作動画で何万再生したんだぜ」ということにしか自分自身を担保できないのが同人音楽作家なのか?

*28:同人音楽作家が一般的な即売会での頒布意識ではなく、販売を意識しているのは以前から言われてきていること、らしい。Wikipediaの同人音楽の記述の「同人音楽の商業化」の項によれば

*29:はっきり言ってこれはバカだと思うね。その後の発言でテクノウチ氏も言ってるけど、やりたいことやろうとして同人音楽やってるのに再生数意識してたらやりたいことは出来ないという矛盾を抱えることになる。かといってそんな意識で同人音楽で食ってる人っているのか?やっぱほとんどいないんじゃね?ていうか、同人音楽で食って行くにはまだまだ同人音楽は未発達だと思うよ。ていうかテクノウチ氏の言う「音楽の需要の仕方がジャンル消費からキャラ消費、イベント消費になっている」の「イベント消費」ってなんじゃい?まさかクラブイベントのことじゃないだろうけど、ニコニコ動画で行われているようなネタ動画にみんなで同時に弾幕コメントするみたいに「みんなで一緒に同じ行動をするイベント」を主題にして音楽を消費するってこと?よく分からん。造語だろうか。少なくとも「イベント消費」でググったけど「イベント消費」の該当はなかった。何の説明も無しに造語使わないでくれよ

*30:ここでテクノウチ氏がここが新しさだ!と言い切れなかったことがあまりに残念。けれどもそれは当然で、新しさの可能性は個性を突き詰めた一人一ジャンルを実現することにあるとテクノウチ氏は見ている。一人一人その新しさの表現は違うんだからそれを普遍的に言うことは不可能。けれども普遍的な表現でなければ東氏は納得しないという。うん、こりゃダメだ

*31:このインターネットメディアによって萌え要素が収斂するというモデルはある意味あたっていると思う。社会学なんかで一時流行った流言論も似たようなモデルを提示してたはず。東方の場合は少し違うくて、ニコニコ動画というインターネットメディアによってキャラというわかりやすい要素を前面に押し出したIOSYSの動画などによって、それまでの消費者ではない新しい大多数の視聴者が飛びついた結果、それまでの消費のされ方とは全く違った今のニコ動での東方ブームがあるとオレは考えてる

*32:ごめんなさい、ほんとにソワカちゃん知らなかったので、そーなのかーってしか思い浮かばないんです

*33:それにしてもこの編集さん全体を見通した発言を適所に入れて流れをうまく導いている、さすがは編集さんだ

*34:声だけに関していえばその技術の簡易化は人力ボーカロイド制作支援ツール「UTAU」とメロディ補正ソフトの「Melodyne」じゃダメだろうか?そういうことじゃない?

*35:初音ミクを語る際に、そこにこだわられることに谷口氏は初音ミクを取り巻く保守性を感じているのだろう

*36:俺もそう思ってて、その意識でミクトロニカを聞いてるんだと思う

*37:そういった例外的な才能を花咲かせる場所であるということが同人音楽の未来の可能性につながるという立場であるオレからしたら、この東氏の「例外的」という表現は気になる。そういった個性的過ぎる才能は例外であって、同人音楽の未来はみんなで一緒に作り上げた流れの先にあるはずだと東氏は考えているのだとすれば、きっとそれは焼畑農業によって出来た焼け野原じゃないのかな、今同人音楽でみんなが一緒に作り上げている流れは焼畑農業であることには変わらないから

*38:天才でなくてもいいので個性なんだと思う。個性なんて抽象的な表現で分かりにくいかも知れないが、要は「同人音楽」だからこそ聞ける音があるということを周りに示さない限り同人音楽に未来はない。メジャーでは聞けない部分って同人文化にある好き勝手やったところ表出する「個性」にあるはずだと思うから